ちゃんと出来る

芋けんぴレシピ

​芋けんぴはコンビニでも売られていて、おやつとして意外と好きな人が多い身近なお菓子です。でも作り方はサツマイモを切って揚げて、砂糖みつに絡めるというシンプルなもの。手作りできるかもと考えてしまいますが、ちゃんとしたポイントをおさえないと上手くできない奥深いものなのです。

​​お店で作っている芋けんぴのレシピを、できるだけわかりやすくそのまま説明します。ポイントを理解して、ご家庭で美味しい芋けんぴを作りましょう。

サツマイモ ・・・・ 1本(約300g)

砂糖    ・・・・ 揚げた芋の15%(約20g)

塩     ・・・・ 砂糖の1%(約0.2g)

​水     ・・・・ 砂糖と同量(約20g)

​分量

​分量は目安です。砂糖は少量で作る場合、芋に絡めやすいよう少し多めにしています。好みや季節によっても変わりますが、当店では13 .5%を基準にしています。砂糖を減らす場合は水を増やした方が作りやすいですが、砂糖みつの濃度の調整が難しくなります。

サツマイモの品種は紅あずまや高系(鳴門金時)など、ホクホク系が作りやすいですが、よく見るようになった、しっとり系の紅はるかでも秋までなら問題なく作れます。熟成が進む冬以降では、カリッとした食感は無くなりますが、その時々の味わいが生まれます。​品種や揚げ方、切り方など、工夫次第で新しい味わいが生まれるかもしれませんね。

1 サツマイモを洗います。表面が傷ついてるところは皮むき器で取り除き、先端とお尻の部分は切り落とします。長い方を縦に、長すぎる場合は斜めに置いて、5〜8㎜厚の太さに切ります。きれいに揃えてもう一度5〜8㎜厚に短冊切りにします。

ポイント

芋のカット幅はお好みですが、細い方が短時間でカリッと仕上がります。水にさらしてのアク抜きは、味が気になればやってもいいですが、必要を感じたことはありません。

切ってからの乾燥は、サツマイモのデンプン質が糖に変わる冬以降はした方がいいですが、やらなくてもちゃんとカリッと仕上がります。

2 油を入れた鍋を強火にかけて180℃になったら切った芋を入れます。​ジュワーと細かい泡がたくさん出てきます。

180℃は高温ですが芋を入れると温度が下がるので、下がりすぎないためです。芋の量で調整しますが、140℃以下にならないようにしましょう。

3 4分ほどするとパチパチと音が変わり、泡が大きくなってきました。一度下がった温度も上がり始め、160℃になったら弱火にします。(温度はゆっくり下がるくらい。)

そのまま強火で揚げ続けると焦げてしまうので、その後は中心部分もチップス化するように低温で長時間かけて揚げていきます。

菜箸などでかき混ぜると均一に芋の中の水分が抜けていきます。

ポテトチップスとフライドポテトを比較するとわかりやすいですが、芋は揚げ方でカリッとするかホクホクするか分かれます。芋けんぴではまず、高温の油に入れることで表面をカリッとポテトチップス化します。

ポイント

4 8分頃を目安に泡が少なくなってきたら火を止めます。菜箸で触ると、表面はかなり堅い感じになっています。

5 30分ほど放置して余熱でじっくり加熱します。水分が抜けていき、油分が浸透していきます。

6 再び中火にかけ、浸透した油分を抜いていきます。140℃を超えたら弱火にして温度が上がりすぎないようにします。泡が出なくなってきたら揚げ終わり。取り出して油を切ります。

​小 話

​中心部分もチップス化すると、最初に出来た表面部分のチップス部分に引っ張られて空洞ができます。

7 砂糖みつを作ります。鍋に砂糖と塩と水を入れ強火にかけます。沸騰して泡が大きくなってきたら火を止めます。

ポイント

泡が大きくなって、とろみがついてきたら砂糖水が砂糖みつに変わるタイミングです。煮詰めすぎるとみつが全体に絡まず、煮詰めずに絡めるとなかなか乾燥せず、しっとりした仕上がりになります。

​煮詰めすぎたら水を足せばフォローは効くので、まずはしっかり砂糖みつにすることを意識します。

ポイント

​火を止めた時のとろみの目安。ヘラで触ると跡は残るけどすぐに戻るくらいの柔らかさ。

​砂糖は、当店では喜界島のきび砂糖を使っています。グラニュー糖でもいいですが、きび砂糖のコクのある甘みと、少しの塩気が芋けんぴの味を引き立てます。

8 揚げた芋を入れ、全体にみつが絡んだら弱火にかけます。鍋肌の水分が飛んできたら火を止めます。

ポイント

火を止めるのが遅いと砂糖が再結晶化して白っぽくなります。余熱で乾燥させるイメージで完全に乾く前のタイミングを見極めます。

9 広いバットやクッキングシートの上で乾燥させます。手につかないくらいに乾いたら一度ほぐして完成です!

完全に乾いてしまうとカチカチに固って、ほぐしにくくなります。

​10数年前に「芋けんぴを手作りしたらおもしろいんじゃないか?」と思い立って始めた芋けんぴ作り。独学でネットの情報を集めてもなかなか上手く出来ませんでした。5年以上かかりようやく形になってきたものの、まだまだ改善の余地は見えてきて、芋けんぴの奥深さを感じています。

今回作り方を公開したのは、そんな奥深さを少しでも感じてもらいたかったのと、ご家庭で作る芋けんぴがネット情報で出来る「なんちゃって芋けんぴ」から「ちゃんとした芋けんぴ」に変えたかったからです。

公開にはリスクがありますが、よりよく活用してもらって、芋けんぴの周りで楽しむ人が増えることを願ってます。ひとつひとつの質問にはお答えできかねますが、作ってみたなど感想をメールかDMでもいただければうれしいです。

© 2015-2020  加藤けんぴ店