​おにぎりごはんを鍋で炊く

今は高性能な炊飯器もあったり、土鍋や鉄鍋でごはんを炊く人も増えてきました。どんな炊き方でもちゃんと炊けたごはんはおいしいものです。

鍋で炊くレシピも調べればたくさんあるし、安定しておいしいごはんを食べたければ高性能な炊飯器を使えばいい。今さらごはんの炊き方で何か言いたいことはない…と思いっていましたが、鍋炊きごはんは、水分量や加熱時間といったポイントを知ることで、炊飯のコツをつかむことができます。レシピ通りに炊き上がるのではなく、自分好みのごはんを炊けるようになるし、どんな炊き方でもその知識は活かせられます。

今回は、おにぎりに最適な粒立ちのいい『おにぎりごはん』の鍋炊きを例に、当店が経験から得たごはん炊きの考え方をご紹介します。​​​​

米 ・・・・ 300g(2合)

水 ・・・・ 390g(米の約1.3倍)

※米や水の量はカップの容量(ml)で測るより、重さで測った方がブレがないのでオススメです。

​分量

​分量は目安です。ごはん炊きの場合、土鍋や炊飯器といった炊き方、季節による気温、米に含まれる水分量、好みの炊き加減によって変化します。

​大事なのは米の水分量を把握することです。

どんなごはんが食べたいのか、粘りと甘みのあるごはんか、お焦げのある香ばしいごはんか、粒立ちのいいごはんか。

​自分の食べたいごはんをイメージして、そこにたどり着く水分量を調整してあげれば、自分好みのごはんを炊くことができます。

1 米を研ぎます。まずボールに水をはって、そこにザルの中で計量した米を入れ、手早くかき混ぜ、引き上げます。最初はぬか臭さが出るので手早く水を換えます。

 2回目は、水を張りながら米を優しくもむように研ぎ、水がたまってきたら、指を使ってかき混ぜ、にごりを出します。3回目も同様にすれば、ほぼにごりはなくなるので研ぎ終わりです。

 完全ににごりを消すのではなく、多少残ってても大丈夫です。要は最初のにごりが残っていると、ぬか臭く感じるためであって、それも好みで残したい程度の研ぎにすればいいということです。

2 浸水します。米の水分量を調整する大事なポイント。

 一般的に、米が完全に水を吸うまで浸水させる、と言われることが多いです。浸水した米を水切りした「洗い米」を用意する、というのもありますが、ヒビ割れが生じたりして、コシのないごはんになるのであまりオススメできません。

 経験上、8分くらいの浸水率で炊き始めると、粒立ちのいいおにぎりごはんになります。夏だと20分、冬だと40分くらいが目安です。上の写真のように米粒は一部白っぽくなっている状態です。浸水時間が少ない分、多少固めのごはんに感じます。気になるようでしたら炊飯時の水量を390gから420gの間で調整してください。

 これは粒立ちのいいごはんを目指しているものなので、粘りのあるやわらかいごはんが好みの方は浸水時間を増やしてください。

3 米を炊きます。よく水を切った米を鍋に入れて、計量しておいた水を入れます。米を冷やしてから炊くと甘みが増すと言われますが、そこまで効果を実感したことはないので、家庭ではそのままでもいいと思います。

 そこから火にかけますが、最初の火力は5分で沸騰が始まるくらいの強火から中強火くらいで。というのも、米の量や気温によって火力は調整が必要で、あまり強すぎる火力でも芯まで火が通らなくなるからです。​

4 5分経って沸騰が始まったら、フタを開けて、米が塊になっているのをほぐすようにかき混ぜます。こうすることで対流がよくなり、均一に火が通るようになります。そしてフタをして待ち、吹きこぼれそうになったら開けて、泡を落ち着かせます。吹きこぼれると水分量が変わるし、その水分には旨みも詰まっているし、何よりコンロが汚れるのは嫌ですよね。何度か吹きこぼれそうになるのを繰り返すか、吹きこぼれないギリギリまでフタを開けるなどして、少し勢いが落ち着く7分頃まで経ったら、火を中弱火〜弱火にして2分30秒のタイマーをセットします。

5 弱火にしてから2分30秒経ち、米の様子を見てみると水分が減ってきているのがわかると思います。まだ水分が米の表面を覆うほどであれば、そのまま待つか少し火を強めて、上の動画くらいに米が水分から出てくるくらいになれば、さらに火を弱め2分30秒待ちます。

6 2分30秒経ったら、蒸らし時間を決め、5秒ほど強火にして鍋肌などに残る余分な水分を飛ばして、炊飯完了です。蒸らし終われば、すぐ食べる、おひつに移しておにぎりにする!などありますが、現実的にはラップで小分けにして、ある程度あら熱をとったら冷凍するのがいいと思います。

ポイント 今回の炊き方では火加減を2回に分けて調整していますが、これは米の状態を把握しながら炊くためです。

 鍋で炊く場合、気温や水分量、手動での火力調整のためどうしても米の状態にバラつきが出てしまいますが、米の状態を確認しながら調整することで失敗を防ぎます。加熱のポイントは、7〜9分ほどかけしっかり温度を上げ切り、そこから水分を飛ばしながらだんだん温度を下げていき、トータル12〜15分で加熱完了。10〜15分ほどの蒸らし。

 米の水分量と加熱時間をイメージできれば、レシピ通りではなく、どんな方法で炊くにしても炊飯を自分で調整できるようなります。

 今回はお店でやっている「おにぎりごはん」を、家庭にある鍋で炊く方法を紹介しました。浸水時間を決めたり、火力調整を自分でやるという手間がかかるものですが、その理由がわかれば、例えば浸水時間を少なめにして炊飯器の早炊きモードで炊くといった応用もできます。あまり注目されていない、浸水時間+炊く時の加水量による水分調整によって、ごはんの粒立ちや柔らかさの変化を楽しめますので、自分に合ったごはん炊きを見つけてみてください。